どうして売れないんだろう?昔は売れたのに。


と、思うことがありますよね?


世の中は変化していて、売れる仕組みも変化しています。


生産志向の時代


昔、女の人はかまどの前から目が離せませんでした。


炊飯器というものが発明された時、すべての女性は炊飯器が欲しかったに違いありません。



作れば売れる時代、

経営者の課題は、

「欲しい人に欲しいものを届けるためにはどうしたらよいか。」

でした。


そして大量生産を可能にする機械や工場がどんどん作られます。


製品志向の時代


大量に製品が生産できるようになると、大量に作るだけではやっていけません。


どうしたらごはんがおいしく炊けるか?

と考えられます。


経営者の課題は、いかに良いものを作るか?

というものに変化していきます。



販売志向の時代


さて、大量に作れるようになり、いいものも作れるようになりました。


こんないいものは、他のところでも売れるはず。


どんどん販路を拡大します。



この時代、経営者の課題は「いかに販路を拡大するか」になっていきます。


顧客志向の時代


大量に作ることができ、

良いものを作ることができ、

世界中に売ることができる。


そうなると世の中にモノがあふれます。


そして、お客の数より商品の数のほうが多い時代がやってきてしまいました。


いろんな商品の中から、お客様が選ぶ時代です。



昔はご飯が炊ければ売れたのに。


そういう時代ははるか昔。


メーカーはこれでもかとばかりにすごい機能を追加していきます。


携帯電話でも、どんどん進化していきました。


沢山の機能が搭載され、ボタンの数も多くなります。


と思ったら、機能がとても少なくて、大きい画面の、通話しかできない携帯電話がバカ売れします。


「そんな機能いらない。電話できればそれでいい」というお客様の声を聴いて作られた商品です。


お客が欲しいのは、「すごい商品」じゃなくて「自分にぴったりの商品」だった!!


経営者の課題は「消費者の求めているものは何?」ということになりました。



マーケティング志向とは


顧客志向の時代、お客様の声を集め、商品やサービスに反映させることがとても重要になってきます。


その前に、「そもそもお客様はどんなことを考えて、どんな暮らしをしているのか」ということも、知らないといけません。


「お客様の目線に立ってみる。」というところから出発します。


すると、「どんな商品が欲しいのか」ではなく、「なぜこの商品を買っているのか」ということになってきます。


この商品がそのお客様に提供している価値って何?

と考えます。


ビデオを買うのは、ビデオが欲しいからじゃなくて、子供が運動会で一生懸命走っている姿を残して家族みんなで感動を分かち合いたいからだったのです。



こうして、「商品」を売るのではなく「顧客に提供する価値」を売るというマーケティング志向が定着していきます。


社会志向の時代


そうこうしているうちに、あの、「モノを余らせてしまうまで大量に生産した時代」のツケが回ってきます。


「自分たちの住処である地球にこれ以上負担をかけてはいけない。

地球にやさしい消費者にならなくちゃ」

というような気持が消費者に沸き起こります。


マーケティング志向に加え、経営者の課題は、「社会に目を向ける地球にやさしい会社」です。



このように、売れる仕組みは変わり続けています。


「なんで(この商品は)売れないんだろう?」


という「製品志向」ではなく


「(そのお客様が)買わない理由は何だろう」というように、顧客を主語とした目線で考える必要があります。